執事 鮫島能章

 ニコデモをイエスキリストのもとへと突き動かしていたものは、何だったのでしょうか。イエスキリストが起こす奇跡の数々への興味だったのでしょうか。それとも、日々の生活の中で何か違う、何かがおかしいという感覚。今の自分自身が信じるものへの不信感?イエスキリストに会ってその話を聞くということでその疑問が解決するのではないかという期待だったのでしょうか。しかしイエスに会って話をするということは、ファリサイ派の重鎮のニコデモはファリサイ派への裏切りに等しいものであったことは間違いありません。それでもなおこうした行動を起こしたことは。ニコデモの強い覚悟が見て取れることができます。

 ニコデモのとった勇気の行動、ファリサイ派の重鎮であるにも関わらず、自分が正しいことを行うためには、現在の安寧な毎日から脱することもいとわないこと。果たして今の私たちが正しい考え方をしているのでしょうか。また正しい行動をとっているのでしょうか。今一度見直しをする必要があるかもしれません。

 コロナの感染が始まって3年、いまなお感染収束が見通せない中、世界を見渡せばウクライナをはじめ、様々な国で戦争、紛争が続いています。日々過ちを犯している人間がこんなに多くいる中で、ニコデモが取った行動のように、これまでの行動を改めて、神様の示す正しい方向に目覚め、すぐに戦争を止めることが必要だということを強く感じます。そして神様が示す方向がどちらなのか。日々お祈りして見極めていく必要があると思います。