聖書には天地創造の物語が2つ納められています。今朝から読み始める2章の創造物語は、イスラエル初期の伝承に起因するかなり古い文書で、創造の意図の通りには生きない最後の被造物「人間」に焦点が当てられています。

 土の塵で造られた最初の人間。彼が神から与えられた住処がエデンの園でした。その中央を流れる川とそこから世界へと流れ出る4つの支流。第1のピションはアラビア半島を取り巻く海かインダス川か…と推定されています。第2の川ギホン。クシュ地方全域を巡って…とあるのでアフリカ大陸の大河でしょう。ナイル川の支流かと言われます。そして第3と第4の川チグリス、ユーフラテス。これらは現在も特定できる川で四大河文明発祥の地のひとつとして有名です。イスラエルの信仰の父祖アブラムの故郷カルデアを流れる川であり、後世ユダの人々が捕囚としてバビロンに連行され、居住地として与えられたのがユーフラテスの畔でした。

 また新約聖書時代に入ってはイエスさまの降誕物語。マタイ2章に占星術の学者たちが東の方からエルサレムに来て、とあります。この「東の方」というのがカルデアを指すのではないか、はたまたもっと東のインドの近辺か…。

 聖書を読む者として中近東への興味と憧れは尽きません。同時に聖書の世界を俯瞰しては思うのです。全世界は誰が造られたのか、被造物は誰のものなのか、聖書を知る者なら答は簡単ではないか、と。イエスさまは、神のものは神に返しなさい、と仰いました。どうかこの言葉を聞くべき人が正しく聞いて直ちに行動を起こしますように。