早いもので今年もクリスマスシーズンがやって来ました。今日からアドベント(待降節)に入ります。非日常の忙しさ、煩雑さの中であっという間に過ぎ去ってしまいがちな12月ですが、アドベントはクリスマスを迎えるための心の準備をする期間です。過ぎ去ろうとする1年間を振り返り、神さまに対する正しい位置に立ち帰って喜びの日が迎えられるよう霊肉共に整えをする時間なのです。心の備えだけでなく家の内外の清掃も牧師室の整頓も済ませてから、クリスマスを迎えたい。←毎年の悲願・・・。

 今朝はマタイの福音書の系図を繙きます。私事で恐縮ですが2年前に母が亡くなった時、必要があって行政書士の方に家系図を作って頂きました。父母の曾祖父母の名前まで記されていましたが四代も遡ることが出来るのは珍しいとのことでした。でも、だから何!?って感じです。余程の名家でもない限り家系図なんて、ねぇ…。

 ところがユダヤ人にとっては「系図」こそ!大事でした。あなたたちは他のどの民よりも貧弱であった。主は地の面のすべての民の中からあなたを選んで、御自分の宝の民とされた。(申命記)パレスチナの諸超大国の狭間で弱少の民が生き延びるために「神の選びの民」というお墨付きは何より大切であり、それを証しするのが「系図」だったのです。
ところでヘブライ書にはイエスさまについて、彼には父もなく母もなく、系図もなく、また生涯の初めもなく、命の終わりもなく、神の子に似た者であって永遠に祭司、と描かれています。マタイの系図はユダヤ人イエスの系図であって神の子イエスさまには系図はないのです。これも私たちにとっての福音ではないでしょうか!