イエスは悪魔から誘惑を受けるため“霊”に導かれて荒れ野に行かれた。4:1
この1文に今日のテキストを読むためのポイントとなる言葉が3つあります。一つ目は「悪魔」。サタンです。人を正しくない方向へと引っ張るもの。神さまあるいは神さまへの信仰から人を引き剝がそうとするものです。サタンは神さまと対等に戦う相手ではありません。むしろ神さまの手下、部下のひとりなのです。神さまがサタンを支配下に置いておられる。この事実が私たちに希望を与えてくれます。人生におけるさまざまな痛みを神さまはすべて知っていてくださる、ということになるからです。
2つ目の言葉は「霊」です。ここでは“ ”マーク付きの霊が使われています。新共同訳聖書の凡例はこの霊について「聖霊、神の霊、主の霊」と解説しています。マークの有無にかかわらず霊とは、人を神さまへと導くもの、神さまの力、また三位一体の神の一位格と表現することもできます。分けても“ ”付きの霊のイメージは、内住の霊、私たちの内に居ます霊、そんなイメージがあります。
3つ目が「誘惑」。今朝のテーマです。人を誘い惑わして堕落へと導くものを言います。何が人を誘惑するのか。これは人によって異なります。例えばお酒が全く吞めない私がお酒に誘惑されることはありません。誘惑に負けるのは、その人の中に誘惑される傾向とか可能性がすでにあるからです。私たちはイエスさまがサタンによる誘惑に勝利されていく記事を読みますが、誘惑のこの本質をまず押さえておきたいと思います。