イエスさまは支払う義務のない神殿税を結局支払われました。ペトロは心の中でどうして?と思ったでしょう。神の子であるイエスさまが何故父なる神さまに税金を支払わなければならないのか…。その心の内を知ってイエスさまはペトロに質問を投げかけられます。「地上の王は誰から税金を取るのか。子供たちからか、ほかの人々からか。」ペトロは「ほかの人々からです。」と答えました。それは正しい答であり、先にペトロの心に浮かんだ「どうして?」という不審も信仰的で正しいことでした。ただペトロはこれらの自分の考えに自信がなかったのです。だから徴税人たちが「どうせあなたの先生は神殿税を払わないのだろう」と悪意を込めて言った時思わず(?と思いつつも)払います!と言ってしまったのです。イエスさまはそんなペトロを愛い弟子だと思われたことでしょう。「では、子供たちは納めなくてよいわけだ。」と多分微笑みながら仰ったと思います。ペトロにとってこれ以上のお言葉はなかったと私は想像するのです。

そう言いつつもイエスさまはペトロに、湖に行って釣りをし獲れた魚の口の中の銀貨で二人分の税金を払うようにと言われました。今度は徴税人たちに配慮されたのです。彼らがすでにイエスさまに躓いていたことはペトロに語った詰問の言葉で分かります。イエスさまは敵対者である彼らを否定するのでなく返って彼らの課す重荷に服されました。確かに彼らも神殿を愛するイスラエルの民であり救われるべき罪人だからです。