ナルドの香油をイエス様に献げる女性の物語。今日はルカの筆によって示されたイエス様の言葉に耳を傾け、真っ直ぐにイエス様のまなざしを受けとめたいと思います。『この町に一人の罪深い女がいた。・・香油の入った石膏の壺を持って来て、後ろからイエスの足もとに近寄り、泣きながらその足を涙でぬらし始め、自分の髪の毛でぬぐい、イエスの足に接吻して香油を塗った。』想像してみてください、こんな大胆な行動を起こす女性が目の前に現れたとしたら、自分はどういう思いを抱くだろうかと。ファリサイ人シモンは呟きました。『この人がもし預言者なら、自分に触れている女がだれで、どんな人か分かるはずだ。罪深い女なのに』。
一方、イエス様は何を見ておられたか?イエス様がシモンに質したかったことは何か?“他人を罪人と断じて裁き、赦すことのできないあなた、あなたはいつも自分にこだわり、自分を手放さず、ピリピリ警戒し他人を拒否している。それは、神の愛と赦しを拒否しているのと同じことなんだよ。”と諭されているように思うのです。イエス様は彼女の心の在り様や痛みをすべてご存じで、その溢れる涙を、香油を注ぐ彼女を、まるごと受け入れられました。イエス様は、黙ったまま心の中で、彼女のために祈られていたのではないかと思います。イエス様は今も私たちすべての人のために祈られ続けています。私たちもこの女性と同じように、キリストによってあまたの罪を既に赦していただいているのです。