16節から25節については説教で触れていないので補足の説明をします。アダムとエバにはカインとアベルという二人の男子が与えられましたが兄カインは弟アベルを殺してしまいます。カインはさすらう者となりやがてノドの地に町を建てるまでになりました。

 17節18節はカインの家系図です。カイン→エノク→イラド→メフヤエル→メトシャエル→レメク。19節から24節はレメクの家系図ですが彼の子ども達が畜産、音楽、金属加工の技術者、それぞれの先祖となったことが記されていて興味深いものがあります。

 さて23節24節にレメクの言葉が記されています。4章15節の神さまの「7倍の復讐」という言葉だけをピックアップして、自分に害を加える者には77倍すなわち無制限に仕返ししてやる!と二人の妻に豪語し自らの力を誇っています。復讐心を煽り立てるような極めて危険な言葉です。

 古代イスラエルには同害報復法がありました(出エジ21:22-25)。復讐がより強い怒りを引き起こし何倍もの仕返しを繰り返す「仕返しの連鎖」にならないよう、受けた害以上の復讐を禁止する掟です。裏を返せば人は復讐せずにはおれない者だと言うことです。

 今世界の各地で起こっている戦争紛争はまさに復讐の連鎖状態です。近隣諸国がそれに加担して火に油を注いでいる。そのような中でキリスト者は、戦争の主謀者たちが武器を捨てて対話による解決への道を探るように、と祈り続けています。小さな祈りをこそ神さまは見過ごされない、必ず聞いてくださるとの確信を持って祈り続けています。