先週十分に語れなかったこと。マリアが天使の「み告げ」を受け入れて「お言葉通りになりますように。」と応答したことについてです。この場面を読む度に、私は昔読んだ本の挿絵を思い出すのです。マリアが部屋の隅っこでうずくまり、手の甲で口を覆って怯えた目で天使を見据えている絵です。

 それまで受胎告知といえばマリアと天使が向かい合い対話しているモチーフしか頭になかった私は、この時ひどく違和感を覚えたものです。でもよーく考えてみると「そうだよな…」。すごく納得しました。以来この箇所を読むとあの挿絵が自動的に(笑)思い浮かびます。

 告知を受け入れたマリアですが、そこには強い葛藤があったことを私たちは心に留めていないといけないと思います。召しに応じるために人は葛藤する。自分との戦いを通ってこそ応召へと導かれる。私もマリアになれるのです。