2018年9月第1主日に始まった「ローマの信徒への手紙」の説教も今朝で終わりとなります。期間としては6年6か月。1年の内の3か月をローマ書の講解に当てたとして24か月を費やして読んで来たことになります。最後の27節を読みます。
この知恵ある唯一の神に、イエス・キリストを通して栄光が世々限りなくありますように、アァメン。
この知恵ある唯一の神。いかにも頌栄を受けるに相応しい神さまへのこの賛辞によって、手紙が閉じられます。ここまで自らの全てを賭けて手紙を書き連ねて来たパウロは、もはやローマ教会の人々のために祝福を祈るまでもないと思ったのかも知れません。それよりもむしろ、まだ見ぬ多くの信仰の輩と共に、この偉大なる知恵ある唯一の神をほめ賛えたいと心から願った。そうではなかったでしょうか。なお祝祷の片鱗を探すとすれば25節前半です。
神は、わたしの福音すなわちイエス・キリストについての宣教によって、あなたがたを強めることがおできになります。
この唯一の神に依り頼むようにと、彼はローマの信徒たちに強く勧めるのです。ローマ書の学びの最後に25節から27節を文語訳聖書で読みます。いくつかの翻訳を読んだ中で、文語訳がシンプルで最も分かりやすいと感じました。まず要約します。「福音と宣教とによってあなた方の信仰を強く確かなものにしてくださるただお一人の神に、栄光がいつまでもキリストによってありますように。」私たちも時空を超えて、この壮大な頌栄をローマ教会の人たちと共に聞きたいと思います。
願わくは、長き世の間隠れたれども、今現れて永遠の神の命に従い、預言者たちの書によりて信仰の従順を得しめんために、もろもろの国人に示されたる奥義の黙示に従える我が福音と、イエス・キリストを宣ぶることとによりて、汝らを堅くし得る「唯一の智き神」に栄光代々限りなくキリストによりてあらんことを。アァメン