シリーズ「受難節」その③
受難節は、イエスさまのご受難を思いつつ慎ましく過ごす6週間です。イエスさまのお誕生であるクリスマスを待つ降誕節は楽しみを待ち、イエスさまのご受難の苦しみを憶える受難節の日々は辛く悲しいものですが、その3日後に起こるご復活という喜びを待つ意味では似た歩みかもしれません。
イースターの1週間前の主日を「棕櫚の主日」といいます。2000年前、イエスさまがロバの子の背に乗ってエルサレムに入城された時人々は、イスラエルの復権を果たし神の民を全ての民の上に君臨させるために来られた王だと大歓迎。ホサナ(救いたまえ)と叫びながら棕櫚の葉や木の枝を切って来ては上着などと共に道に敷いて歓迎しました。そのことを記念するのが棕櫚の主日です。この日から受難週が始まります。
ところがその数日後、イスカリオテのユダの裏切りによって逮捕され裁判にかけられて十字架刑を宣告されたイエスさまを見て人々は落胆、失望。そしてその痛みや悲しみはやがて憎しみへと変わっていったのでした。