「希望の源である神が、信仰によって得られるあらゆる喜びと平和とであなたがたを満たし、聖霊の力によって希望に満ちあふれさせてくださるように。」(ローマ15:13)

上記は今日読んでいただく聖書箇所の一部です。パウロはまだ行ったことのないローマの教会の人々に対して、自己紹介として自分の信仰を色々な言葉で説明しながら手紙で語っています。その時代、ローマは世界の中心で、様々な民族、様々な宗教が混在していました。ローマの信徒たちについてパウロに情報は入って来ていたでしょう。ユダヤ人と異邦人の確執は、ユダヤ人キリスト者と異邦人キリスト者においても消えることはなく、ほとんどどこへ行ってもこの問題は起こっていました。パウロは旧約聖書の言葉を用いて、ユダヤ人と異邦人は、「共に神を賛美する」ように最初から聖書で預言され導かれていることだと述べて説得しています。

差別の問題は、今もどんな社会においても人間の課題として存在しています。民族差別、宗教差別、階級差別、性差別、あらゆることで他者を差別する理由をつくり、それによって自分が優位に立つことで平安と希望をもつ、というのがこの世の考えでしょう。差別は互いを遠ざけます。神がキリストのゆえに、違いのある互いを受け入れ合うことを望んでおられるのなら、今は実現していないけれど、そのことが現実になるように希望をもちたいです。パウロは礼拝の祝祷のような祈りをしてローマの教会の人々を励ましています。それが上記に記した冒頭の祈りです。この祈りに鍵が隠されているようではありませんか。私たちに絶望がなくなるようにしてくださった主なる神に感謝します。

★交換講壇の本日は、宝塚教会の岡村直子先生がメッセージをして下さいました。許可を頂いて要約を掲載しています。