福音宣教の専従者となったパウロは、アキラとプリスキラの家に宿を借りつつ一層熱心に宣教活動に取り組み始めました。
今まで平日はテント造りとして働き、安息日だけユダヤ教の会堂で福音を語って来ましたが今や、毎日ユダヤ人が集まりそうな場へ出かけて行ってはイエスさまがメシアであることを論証しました。

しかしユダヤ人たちは彼に反抗し、口汚くののしったのです。今までのパウロなら、それでもと説得を続け、暴力を振るわれて追い出されるまで宣教を止めなかったと思います。でもコリントでは違いました。どんなに努力しても彼らは福音を受け入れないと感じる時にはパウロは捨て台詞を残して立ち去ったのです。「あなたたちの血はあなたたちの頭に降りかかれ。」

これは、福音を受け入れず神を蔑にした報いはあなたたち自身に帰せらるようにとの呪いにも似た言葉です。そして上着を脱いで振り払った。あなたたちがどんな報いを受けようが私の知ったことではないという仕草です。そして今度は異邦人を相手に福音伝道を始めたのでした。そこには神さまの備えがありました。ユダヤ教の会堂の隣家に住む人がキリスト者となり、ユダヤ教の会堂長一家がバプテスマを受け、多くのユダヤ人が救いに与りました。異邦人伝道は順風満帆のように見えました。しかしパウロの心には恐れがあったようでした。今まで散々な目に遭ってきたパウロにさえ敵対者に襲われ危害を加えられるかもしれない、との恐怖は付き纏っていたのでした。

そんなパウロを、主は幻を通して励まされます。「私があなたと共に居る。」「この町には私の民が大勢いる。」
何と力強いお言葉でしょう。私たちも頂きます。目には見えないけれど教会にも周辺にも神の民が大勢備えられている!