神戸伊川教会では毎年8月を「平和月間」とし、平和に関する信仰的宣言を中心に説教を行っています。また第2週の主日を私たちの教会の「永眠者記念礼拝」と定め、教会に縁の永眠者のお一人ひとりを憶える礼拝を献げています。

 今朝は、クリスマス物語のひとつである「イエスさまのお宮参りの場面」から聞きます。この酷暑に何故クリスマス物語??ですよね。今朝はあえて季節をお忘れください。そして登場人物のシメオン(男性)とアンナ(女性)の生き方に是非注目して頂きたいのです。シメオンは「シメオンの賛歌」で知られた人物です。彼は嬰児のイエスさまを腕に抱き、「主よ、今こそあなたはお言葉どおりこの僕を安らかに去らせてくださいます。」と、高らかに神さまを賛美します。去る、とはこの世を去ること。彼は地上での人生を終えて天の故郷に帰る時が「やっと来た!」と喜んでいるのです。世間でよく聞かれる「早くお迎えが来ればいいのに」という言葉に似てはいますが、その意味は全く異なります。この世で生きることに疲れて「去りたい」と願う後者に対し、シメオンは聖霊に示された「生きる意味」を弁えて日々希望を抱きながら生涯を歩み続けました。彼はいつも自分のためではなく神の民イスラエルのために祈り続けていました。そしてその切実な願いが叶う「時が満ちた」ことを、若く貧しい夫婦に与えられた男の子に会ったことで確信したのです。今朝は、今は亡き愛する人々を偲ぶ時。故人の在りし日を思い出すと共にこれからの私の生き方に思いを至らせる時にしたいと思うのです。