8月は平和を想う月。今年の8月は昨日まで読んで来たイザヤ書から平和のメッセージを頂こうと考えています。(5月23日から7月27日までの聖書日課)

 預言者イザヤが生きた時代は、パレスチナにおいて神の民イスラエルが史上最も厳しい状況へと転がり落ちて行った頃、苦しみの底辺でついに力尽きるかと思われた頃、しかし神は異国の王を用いてイスラエルを帰還させようとされた、そんな時代でした。
 アッシリア帝国は、肥沃な大地に豊かに栄えるエジプトを得ようと南下政策をとります。その経路に、パレスチナはあったのです。イザヤが神からの召命を受けて間もなく北の都サマリアが陥落。ウジヤの治世に生まれた預言者は同胞の滅亡を目の当たりにしつつ、南王国の王たちに神の言葉を伝え続けたのでした。南王国の滅亡~バビロン捕囚~ペルシアの台頭~エルサレムへの帰還と神殿再建の幻…、神の民のこの歩みに寄り添い続けたのでした。執筆者は3人と言われるほど長い時の中で、彼(ら)が語った神の裁きの言葉は全く容赦のない厳しいものでした。しかし悔い砕かれた民に対する慰めと希望の言葉は、この時代の民ばかりかそれ以降今に至る神の民にとっても、また今以降新しい天と地に至るまでこの世に生きて信仰のゆえに苦しみを受ける民にとっても、全き真実であり有効な約束であることは疑う余地はありません。イザヤ書は新約聖書に引用されることの最も多い旧約と言われます。つまりイザヤ書はイエスさまをはっきりと指し示している、ということです。

 真の平和の王であるイエスさまご自身を旧約聖書の中に読み取っていきましょう。真の平和からどんどん遠ざかっていくような今ですが、そんな中に在っても預言者の存在は決して弱々しいものではないはず。世を励まし希望を抱かせるもののはずです。イザヤ書から是非知恵と力を頂きましょう。