ヨハネの福音書の待降節のメッセージは新共同訳聖書の小見出しに「言が肉となった」とある1章1節から18節かと私は考えます。その11節に言は、自分の民のところへ来たが、民は受け入れなかった。とありますようにイエスさまは真冬の真っ暗な静かな晩に密やかにこの世に降って来られました。しかし続く19節に、自分を受け入れた人、その名を信じる人々、という言葉があります。
 確かにイエスさまがこの世の人となられたのを見たのはマリアとヨセフの二人だけでした。しかしルカが記すように家畜小屋には牛も馬もいたでしょうし、寝ずの番をしていた羊飼いたちも羊たちを連れてイエスさまに逢いに来ました。イエスさまのお誕生を彼らに告げたみ遣いも、賛美を歌う天の軍勢も大勢いました。またマタイが記すように、自分の財産を嬰児への贈り物に替えてまで遙々東の国からやって来た占星術師たちもいました。
 今年のクリスマスのテーマは、降誕物語に登場する「脇役たち」です。そう!イエスさまは実はこの世の大勢の脇役たちに歓迎され喜ばれながらこの世の人となられたのでした。
 今朝はそんな脇役の中の一人、エリサベトを取り上げます。彼女の役柄は、受胎告知を受け入れたものの不安や恐れで心がはち切れんばかりになってしまったマリアに、その身に起った出来事が確かに天上の摂理であることを伝えて彼女に喜びと神さまへの感謝の気持ちを取り戻させる人、でした。そのために彼女自身も様々な試練を経なければなりませんでした。けれども神さまは試練に耐え抜いた彼女に素晴らしい賜物(経験)を与えられたのでした。