聖書箇所:ルカ1:26-57、マタイ1:16
朗読箇所:ルカ1:46-55
クリスマスおめでとうございます。2022年もキャンドル・サービスならびにクリスマス礼拝を行うことが出来たことを神さまに感謝します。キリスト教会が最も大切にし毎年の楽しみとしているクリスマスとイースター。ところが会堂に集まってこれらの礼拝をささげることが出来ない、などというあり得ないことが起こったのが2020年のイースターでした。あの混乱を思い出すたびに当たり前の何と有難いことかとしみじみ思います。
さて今朝はマタイの系図に登場する女性の5人目はイエスさまの母マリアです。クリスマスの度にマリアを話題にして来ましたが今年は系図を意識したいと考えました。他の4人の女性たちが異邦人であった(タマルを異邦人として数えて)ことが、マタイがイエス・キリストの系図を書き上げる上で大きな意味を持ちます。キリスト教が一民族の宗教から世界宗教へとなっていくためにユダヤの民族主義、血統主義を超える必要があったからです。ユダヤ人のイエスさまの体には異邦人の血も流れていた。そのことで民族や血統を問わない宗教へとなっていった。あらゆる隔ての壁を取り壊し、乗り越えてキリスト教は世界中に広がっていったのです。
私はこの系図にもう一つの意味を見出します。それは系図は「いのち」をつないだ証しだということです。当時の女性たちはいわば「子どもを産む道具」でした。その屈辱的な扱いに耐えて彼女たちは淡々と使命を果たし続けたのです。その結果今も人類が続いているのです。これからも続いていくのです。マタイの偉業はその視点からもスゴいと思います。