12月の声を聞いた途端一気に冷え込むようになりました。ホワイトクリスマスは望めないまでも厳しい寒さというのが「日本の」クリスマスの風物詩のような気がします。
イエス・キリストの系図に登場するイエスさまの女性のご先祖様の物語2回目の主人公は、カナン人ラハブです。彼女は異邦人で遊女でした。当時のユダヤ人たちが最も軽蔑する人間の要件を2つも満たしていたのです。
ラハブは生業こそ人に蔑まれるようなものでしたが頽廃的でも卑屈でもありませんでした。それどころか状況を読んで決断し直ちに行動を起こす様子は爽快、痛快です。ラハブの物語の特徴はスピードとスリルです。危機一髪!の状況を自らの機転と「神さまへの信頼」によって潜り抜けていきます。
彼女が信頼をおいたのはカナン人の神ではありませんでした。彼女はイスラエルの神の噂を聞いて畏れ慄き、この神こそ真の神、私の神だと確信しこれ以降の自分の一切をこの方に賭けた。すなわち同胞のカナン人を欺きイスラエルの2人の斥候を助けたのです。
間的な見方をすれば彼女の行動が果たして正しかったのか、疑問の残るところです。ラハブはそんな人間の倫理観や正義感に従って判断したのではなかった。彼女はイスラエルの神さまへの信仰に立ったのでした。そんなラハブを神さまは嘉された。
(主は人を)人間が見るようには見ない。主は(人の)心によって見る。サムエル上16:7
神さまの目にラハブの行動は「義」と映ったのでした。不公平でしょうか。むしろラハブの選びは私たちにとって希望なのではないでしょうか。