今朝と来週、2回に亘ってサマリアの女性の信仰について学んで参ります。神の民イスラエルは自分たちが神の選民であること、父祖アブラハムの直系の子孫であることを誇っていました。実は神さまがイスラエルを選民になさった理由は、彼らが他のどの民族よりも貧弱だったから(申命7:7)でした。また彼らが由緒正しいという血統は4代目のユダとカナンの女性との結婚(創38:2)で早々に途切れていました。それにもかかわらず彼らは一族以外の人間を排斥し軽蔑した。そのことがパレスチナにおいて数千年も続き、イエスさまの時代にまで影響を及ぼしていました。
今朝の主人公の女性もユダヤ人から排斥され、反目し憎み合って来たサマリア人の一人でした。イエスさまは一行と共にガリラヤへ向かう途中に立ち寄られたサマリア領内のヤコブの井戸端で、この女性に出会われました。イエスさまが福音伝道の対象としてサマリア人を想定しておられたことは想像に難くありません。通常ユダヤ人が避けるルートを歩きサマリア領内の井戸端で休まれました。どちらも「わざわざ」の感がぬぐえません。サマリアの女性は人生を持て余していました。聡明さを持ち合わせていた彼女は当時タブーとされていたユダヤ人男性との対話から様々なことに気づいていきます。その男性が知るはずもない心の傷、他人に触れられたくない部分を直撃されたことで、その人が預言者(神の人)であると感じたのです。肉で始まった対話は霊の対話へと、真の礼拝へと昇華していきます。