モーセはヨセフの骨を携えていた。ヨセフが、「神があなたたちを顧みられる。そのとき、わたしの骨をここから一緒に携えて上るように」と言って、イスラエルの子らに固く誓わせたからである(出エジ13:19)。
ヨセフがお骨になってもパレスチナの地に帰りたかった気持ち…ちょっと切ないですね。今朝の説教では取り上げることができないので「まえせつ」で触れておくことにします。
ヘブライ人の中で最初にエジプトの地を踏んだヨセフ。彼も奴隷としてエジプトへと売られて行ったのでした。神さまから夢を解く賜物を与えられた彼はエジプトを飢饉から救い、やがてファラオに次ぐ国家の権力者としてその地で一生を終えます。その遺言が上記の「」なのです。それから400年ほどが経ち、エジプト全土に増え広がったヘブライ人全員を脱出させる使命を負ったモーセが、遂にその遺言を執行したのでした。
あなたたちは今日、エジプト人を見ているが、もう二度と、永久に彼らを見ることはない(出エジ14:13)。
脱出直後にモーセはイスラエルの人々にこう語っています。ヨセフに始まりモーセに終わるイスラエルの人々のエジプト在留。神さまの壮大な計画書に初めから書き込まれていた出来事のひとつひとつ。凄いとしか言いようがありません。紅海渡海を経ていよいよ荒れ野の40年の彷徨が始まります。野生のぶどうの木さながらのイスラエルを霊肉共に神の民として整えるために教え導きながら、モーセは「律法の五書」を完成させました。その五書を二千年後に生きる私たちが学んでいるのも、凄い・・・。