イエスさまの「癒し」の物語の4回目です。今朝のテキストは有名な箇所なのでご存知の方がほとんどだと思います。一人の中風の病人を4人(おそらく)が戸板(おそらく)に乗せて担ぎ、イエスさまの許へと連れてきた。でも小さな家には人々が押しかけていて中に入れない。それで彼らは一計を案じて屋根に上り、屋根を剥いでそこからイエスさまの真ん前に病人を吊り下ろした、というちょっと愉快な(当事者以外は)物語です。
私の舅も脳梗塞の後遺症で障がいがありました。努力もあって一人で歩き身の周りのこと(食事や着替え、入浴など)ができましたから、介護は楽な方でした。しかしルカが記している中風の人は寝たきり状態だったようです。当時の医療では治癒は望めなかったと思われます。彼は諦めていました。神に期待しない。イエスさまはそれを「罪」と言われます。そして本人でなく、彼の周りにいて病人を思うあまり大胆な行動に出た人々の信仰に目を留められました。そして彼らの故に、彼らの祈りを聞き届けられたのでした。
ここにもファリサイ派や律法学者がいました。そして病を癒すことは認めても「罪を許すこと」は神を冒涜することだと、イエスさまに詰め寄ります。
イエスさまの言葉による中風の人の癒しは誰の目にも神の御業であることが明らかでした。そのことがイエスさまを十字架へと近づけるのです。