ヨナが、魚のおなかの中で祈っています。神さまに逆らってその許から逃げ出したものの、乗っていた船が難破しそうになり人身御供となって海へ放り込まれたヨナは、息絶えようとする瞬間、神さまが送られた巨大魚に飲み込まれて命拾いしたのでした。反逆の僕の命を守ってくださった神さまに向かってヨナは祈り始めました。
祈りながら回想しながら、ヨナの内に変化が起き始めます。一連の出来事の意味が少しずつ分かってきたのです。神さまから離れよう、逃げようとしたことが預言者として果たして正しかっただろうか。
乗っていた船が大風に翻弄された時自分は神さまに対して怒りを覚えたのではなかったか。捨て鉢になって英雄気取りで海に放り込まれた途端、襲ってきた死の恐怖、思わず神さまのお名前を呼んだのではなかったか。死を覚悟したのに死ななかったのは神さまが救い出してくださったからではないか。神さまが、滅ぶべき罪人を命へと引き上げてくださったではないか。ああ私は神さまではなく自分を信じていたのだ。そんな赦されるはずのない者に、神さまは生きよと新しい命を与えてくださったのだ。思い起こしの中で、ヨナは少しずつ神さまへのまっすぐな信仰を取り戻していきます。自分の何がいけなかったのか、そのことに気付いていきます。そして自分を生き直しへと導いてくださった神さまに、感謝をささげ、さらに誓ったことを果たします、と宣言したのでした。「救いは、主にこそある。」ヨナの言葉が私に勇気を与えてくれます。