今日のテキストは広範に及びますので4章24節から26節、モーセを召し出された神さまがエジプトに向かう途中で彼を殺そうとされた事件をどう理解してよいのか「まえせつ」で触れておきます。
その時彼の妻ツィポラはとっさに石刀を手にして息子の包皮を切り取り、それをモーセの両足に付け、「私にとってあなたは血の花婿です」と叫んだので、主は彼を放された、とあります。モーセには2人の息子がありましたが(出エジ18:2-4)この時点でどちらかが割礼を受けていなかったと思われます。アブラハム契約にはイスラエルの男子の割礼が神さまとの契約であることが記されています(創17:12-14)。ミディアン人にも割礼の義務がありました。
先週お話ししたように彼らの始祖もアブラハムだからです。夫が主に殺されかけた時妻のツィポラは気付いたのでしょう。エジプトからイスラエルを救い出す役目を与えられた者の家系に無割礼の者があってはならないのだと。彼女が祭司の娘であるとはいっても凄い機転です。割礼を施したあとのツィポラの行為と「血の花婿」という言葉の意味については様々な説がありますが、結局定かではありません。
でもこの場面で大事なのはそれよりも彼女が息子の無割礼が主の怒りを引き起こしたのだと気付いたこと、そしてすぐさま行動を起したことでしょう。それは彼女が常日頃から、夫への主からの召命を自分のことのように受け止め全面協力する気構えでいたからだと私は思います。夫婦で職業を持つことの多い現代、お互いに心を配り合うのは大事だと思わされます。