神さまのお働きによって多いに祝されたエフェソ伝道でしたが、今朝のテキストはそんなエフェソで起こった騒動の記録です。当時最大と言われたアルテミス神殿の銀製の模型を販売して利益を得ていた人々が、パウロの言葉を誤解して町中を混乱させました。

 「手で造ったものなどは神ではない」とパウロが言って営業を妨害しただけでなく神殿を蔑ろにし、そこに祀られている女神を冒涜して威光を汚した、と怒り狂っているのです。最終的には町の書記官によって誤解は解かれ暴動は回避されました。

 さて、私たちキリスト者は異教を目の敵のように扱うことはないでしょうか。唯一信教の私たちにとっては創造主なる神、三位一体の神以外神はないのでこの神以外を神とすることも崇めることも決してありません。でもだからといって他の人が、私たちの神を神とせず他の何かを崇め礼拝したからといって私たちがそれを批判するのは間違いです。パウロはそのような手前勝手な差別をしません。

 八百万の神が存在する日本でイエスさまを伝えようとする時、この点に注意すべきです。相手の在り方を受け入れない私を相手が受け入れてくれるはずがありません。すべての人に対してすべてのものになった、とパウロは言っています。私たちはこの姿勢に学ぶべきでしょう。かと言って安易な妥協は禁物です。伝道の知恵と力と勇気を神さまから頂いて祈りつつ歌いつつ福音を伝える者でありたいですね。