アブラムは、妻と共に、すべての持ち物を携え、エジプトを出て再びネゲブ地方へ上った。ロトも一緒であった。13:1
アブラムがネゲブからエジプトへと向かった時には彼らの手許にはハランで所有していた財産の何ひとつも残ってはいませんでした。しかしエジプトを追われる時点ではどうであったでしょう。
アブラムは非常に多くの家畜や金銀を持っていた。13:3
エジプト王がアブラムを去らせる時、王は彼に与えた財産を取り返そうとはしませんでした。最初アブラムは莫大な富を得たことを「幸い」と思っていたようですが、今やそれは彼の不信仰を詰る景色になっていたようです。そんな思いを振り払うように彼はベテルに向かって旅を続け、以前に天幕を張った所まで戻って来ました。最初に祭壇を築いて主の御名を呼んだ場所まで「引き返して来た」のです。
アブラムは信仰の原点に立ち返って神さまの前に身を投げ出し、心から悔い改めをしたかったと思われます。祈らず、自分の決断を良しとした罪を神さまに告白し、赦しと憐れみを乞いたいと願ったと思われます。キリスト者の悔い改めとは自己反省や他者に謝罪することではありません。ましてや相手に謝罪を迫ることでもないのです。
キリスト者の悔い改めとは、真の神さまに立ち返ることなのです。アブラムは、罪深い自分を捨て去ることなく異邦の王の言動を通して導きを与えて下さった神さま、祝福の約束を忘れ給わない神さま、の赦しと愛と恵みに浸されて少しずつ信仰の高みへと上げられていきます。