今日は聖霊降臨日。私たちキリスト者の信仰の原点とも言うべき「聖霊降臨」についてルカの記述(福音書と使徒書)から聞きます。
世界で初めての聖霊降臨は、ご復活のイエスさまが天に昇っていかれる直前の使徒たちへの約束の成就というかたちで起りました。イエスさまはそれまでにも弟子たちに語っておられたのですが彼らには理解出来ませんでした。使徒書1章9節から10節を読む度にこの時の使徒たちの悲しみと不安とが胸に迫ってきて苦しくなります。直前の8節の遺言の力強さとか驚くべき内容とかが全然伝わっていません。考えてみれば無理もないのですが。
この気持ちを共有する人たち、すなわちイエスさまの弟子たちが120人ほどエルサレムにいました。彼らが素晴らしいのは、みんなが一つ思いになって祈っていた、ということです。祈らないではいられなかったのでしょう。そんな彼らの内に五旬祭の日、約束通り天から降って来られた聖霊が充ち満ちてくださったのです。何か騒々しい出来事が起ったかのような印象を受けるルカの記述ですが、よく読んでみるといつものように秘めやかで細やかです。120人の耳には激しい風の音が聞こえ目には熱く燃える炎のような舌が見えましたが、体感したのは彼らだけです。エルサレム中の人が集まって来たのは120人が世界中の言語で話し始めたその声を聞いたからでした。
神さまの出来事は大勢いても一人ひとりに向けて起こりしかも心にポッと灯りが点るような素敵なことなのです。でもそれこそが人を大きく変えるのです。