詩集「道 La Strada」より
時おり、先週のマタイ5章41節が心に滲みることがあります。=ローマの兵卒が植民地の老人に無理やり重い荷を担がせて長距離を歩かせようとしている。老人がふらつく度に鞭で脅しながら強引に行かせようとする年端もいかない下級兵士。イエスさまはきっとこの若者の哀しみを知っていてくださる=。なぜかイエスさまが老人よりむしろ下級兵士に心を寄せられる様子を思い浮かべてしまうのです。表題の詩集の中の「孤独を背負って下さった方」という詩に次のような一節があります。
1マイル強いて歩かせようとする者の心に孤独の叫びを聞き取ってともに2マイル歩こうと言ってくださった方。
この言葉に出会った時、41節についての漠とした印象が言葉を得たように感じたものでした。つい虐待される側に心が動く私たち。しかしイエスさまはもっと深い人間の心の闇を見ておられる、そう思うのです。
※詩の一節は、女子パウロ会:発行「道」光原百合:著から。
光原百合氏は2022年病気のため58歳で主の御許に召されました。