クリスマス、おめでとうございます。
今朝は「シメオンの賛歌」を読みます。シメオンは聖書の中でルカのこの箇所にしか登場しませんが読者に強いインパクトを与える人物です。彼は正しい人で信仰の篤い人、イスラエル民族の救いを願い続けた人、聖霊の関わりの中で生きた人、でした。メシアに会うまで死なないとの約束を信じていました。そして嬰児のイエスさまに出逢って「これで安らかに去って行ける」と喜んだのでした。死を喜んで受け入れたことが読者を惹きつけて止まないのだろうと思います。生まれることと死ぬことと。自分の身に起こる人生最大の事柄でありながら私たちはそれにほとんど関与できません。せめて最後は「良い人生だった。神さま、感謝します」と心から言いたい。シメオンがそのお手本となるのでは、と信仰者なら思って当然です。
よい臨終を迎えるためのキーワードは「信仰の篤い人」に集約されるように思います。言い換えるなら「祈る人」です。神さまとの関係を何にも増して優先する人です。よく「祈れない」という人があります。でも「祈りは呼吸」とも言われます。呼吸しない人…なんて居ません。さてシメオンは「お告げを受けていた」とありますから彼は「言う」のではなく「聞く」いた。聞く祈りに軸足を置いていたと思われます。
世界で初めのクリスマスはとにかく静かでした。騒がし過ぎる現代ですが喧噪の中にもみ言葉は語られています。来るクリスマス・イブの夜、心を静めて耳を澄ませてみませんか。