想起

 過日キリスト教系の大学を卒業したという人と話しながら昔のことを思い出しました。私も同系統の大学に在学していたからです。

 元より好奇心旺盛。環境から受ける影響もありキリスト教に興味津々の新入生だったある日、「講演:日常性を超えるもの」という立て看板を見つけたのです。それは教会の特別伝道集会でした。「日常性を超えるには神さまとつながるべし」。そんな講演内容を思い出します。

 4年間聖書から学び、荘厳な礼拝堂で毎日献げられる礼拝にも時々参加。分けてもクリスチャンの友人たちとの交わりは後々の私の生き方に少なからぬ影響を与えました。私の信仰は「興味」から始まったのです。

 人の心が、人生の確かな羅針盤を切実に求めている現代。永遠の真理に導かれているキリスト者こそ良きものを差し出すことができるのでは…。過去と現在が交錯する中でそんな思いも与えられたことでした。