7節を読みます。
主は言われた。「わたしはあなたをカルデアのウルから導き出した主である。わたしはあなたにこの土地を与え、それを継がせる。」
これまで神さまがアブラムに語って来られたことと概ね同じですが、今回際立つのは、「この土地」という言葉です。具体的に与えられる土地が18節から21節に書かれていますが今日は読みません。この箇所で覚えておきたいことはむしろ、アブラムがこの時に立っていた「ここ」、それがどこかということです。それはベテルとアイとの間にある以前天幕を張った場所でありアブラムが最初に祭壇を築いて主の御名を呼んだ場所でした(13:3-4)。そののち甥のロトの一家と分かれた場所でもありました(13:14)。そのような場所において、神さまは仰ったのです。
目を上げて、あなたがいる場所から東西南北を見渡しなさい。見えるかぎりの土地をすべて、わたしは永久にあなたとあなたの子孫に与える。
あなたが今、目で見ている場所を全部あげるよと言っておられるのです。
こうしてアブラムは、ヘブロンにあるマムレの樫の木のところ(13:18)に来て、終生をそこで送ることになるのです。多少の移動はあったもののここに天幕を張って住まい、妻のサライが死んだ時には、天幕の前の畑と洞穴を、異邦人のマクロンから買い取って、その亡骸を収めました。
見えるかぎりの土地はあなたのものだと神さまから告げられたアブラム。彼が地上の人生で自分の所有地とした場所はまさに「ここ」だけであったのです。