今日のテキストの最後は「黄金律」と呼ばれる戒めです。

 だから、人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。これこそ律法と預言者である。前半の言葉は、隣人愛の戒めです。そして後半部分で、律法はこの隣人愛の戒めに集約される、と言っておられるのです。

 そもそも旧約聖書の律法は、神さまがイスラエルの民に与えられたものでした。律法を与えられた彼らは、選民意識をもって自分たちを他の諸民族から厳格に区別しこの律法を遵守するユダヤ民族だけが救いに与るべき者である、との排他主義を貫いて来ました。しかしイエスさまはこの隣人愛の戒めを「律法の中心」に据えることによって一切の宗教的差別を撤廃されたのでした。これによってモーセの十戒は、万人に向かって開かれた教えとなったのでした。

 イエスさまは、古今東西老若男女すべての人に向かって宣言をして下さったのです。それはこうです。愛の神さまは天にいらっしゃる。だから私たちが誰であれイエスさまに在ってそのお名前を通して祈る時、神さまは必ずその祈りを聞いて下さる、祈りに答えて下さる。そしてその恵みに与っている私たちであれば、誰かにしてもらいと思うこと何でも人にしてあげられる愛の人になれるはずである。隣人を愛する愛の人になりなさい。

 今朝は豊かな、温かなイエスさまからのメッセージを頂きました。応答していく者でありたいと心から願うものです。いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい。これこそ、キリスト・イエスにおいて、神があなたがたに望んでおられることです。