ニネベでの宣教が大成功を収めたことにヨナは怒り、神さまに自分の死を求めました。神さまは「お前の怒りは正しいか」と問われます。ヨナは自分が怒ることの正当性を証明しようと、ニネベを出た東に小屋を建てて町を見張り始めました。彼にとってイスラエル以外の民族の救いなど絶対にあってはならないことだったのです。

 しかし神さまのみ心はそうではありません。神さまは返って、律法を知らず神さまを知らない異邦人を憐れみ、立ち帰る者たちを引き上げられる方なのです。神さまはまた、頑なで排他的でしかも異民族の滅びを願うようなヨナのことも放ってはおかれません。神さまはヨナの小屋のそばにとうごまの木を生じさせて日陰を作られました。お陰でヨナは心地よく過ごすことが出来るようになりとても喜びました。ところが神さまは翌朝には、この木が枯れるように虫を送られしかも風に命じてヨナに熱風を送られたのです。暑さ故にぐったりしてしまったヨナは再び死ぬことを願います。

 そんなヨナに、神さまは言われるのです。「お前はとうごまが枯れたことを怒っている。とうごまの命を惜しんでいる。その思いがあるならば、わたしが12万人以上ものニネベの人々の命を惜しむ気持ちが理解できそうなものではないか。わたしは創造主である。わたしが創り出した命を救いたいと願うのは当然ではないか。」ヨナは被造物です。神さまのみ心に自分の思いを従わせるべきでした。しかし彼は神さまが自分の思いや願いに沿うべきだ、と言い募るのです。