新共同訳聖書の小見出しは「ヤイロの娘とイエスの服に触れる女」となっています。そしてテキストは、ヤイロの娘の癒しの物語の途中にイエスの服に触れる女の癒しの物語が入り込んでいる、物語中物語の形式を取っています。個別の物語ではありますが、双方が関連し合って大切なひとつのメッセージを告げてくれるようです。イエスの服に触れる女は、出血が止まらない故に汚れている者として誰かに触れることも触れられることも禁じられていました。そんな彼女が「イエスさまは癒し主」と信じ勇気を出して禁を犯した時イエスさまは彼女を癒してくださいました。

 方やヤイロの娘は死にかけていました。そして女性の癒しに関与しておられる間に亡くなってしまったのです。人々は死の前にはイエスさまの力も無効だろうと諦めてしまいました。しかしイエスさまは絶望の中にあるヤイロに言われます。「恐れることはない。ただ信じなさい。そうすれば、娘は救われる。」イエスさまは命そのもののお方、死体に触れてはならないという律法をも越えるお方です。少女の手を取り「娘よ、起きなさい」と宣言されると彼女はその霊が戻って起き上がりました。生き返ったのです。この命の主を、私たちはわが主と崇めて主の日に礼拝します。今一度このことを心に留めつつ主の日の礼拝に臨みたいものです。