エゼキエルは何度スペースワープ(瞬間移動)を体験したことでしょう。今回のスペースワープで彼は「幻の神殿」へと導かれていきます。偶像礼拝の巣窟と化したエルサレム神殿から神さまが去って行かれるのをエゼキエルは見ていました。やがてその神殿はバビロン軍によって完全に破壊されてしまいます。歴史上ではその後ペルシアのキュロス王によってバビロンの捕囚民に帰還が赦され、彼らはエルサレムへと帰って来て再建に取りかかっていきます。今朝のテキストは、神さまが悔い改めたイスラエルの民全体に幻の神殿、「神さまが民と共に住まわれる場所である神殿」についてエゼキエルに語り伝えさせるために、彼に神殿を隅々まで見せる場面です。天の測量士について幻の神殿を測定しつつ巡るエゼキエルは、東の方から神さまの栄光がやって来て神殿に満ちていくのを見ます。
イスラエルの罪の故に神殿を去られた神さまはしかし彼らを捨てられた訳ではなかったのでした。清められた人々と共に新しい都にとこしえに住まうと言ってくださるのです。どこまでもイスラエルを赦しそして清い民となることを諦められない神さま、その神さまに愛されている私だと思うともっと自分を大切にし愛したいと思うのです。エゼキエルも幻の神殿を巡りながら、神さまの愛に触れていったことでしょう。そのようにして人は変えられて神さまを映す者となっていくのだと私は思うのです。巧まずとも作らずとも演じずとも神さまが欠けた器からあふれ出てくださる。そんな証し人になれたらいいですね、お互いに!