キリスト教会(教界)において、現代を「教会の時」「教会の時代」と言い表すことがあります。

天地創造の昔から創造主と共におられた子なる神が人間の世界に降って来られて人となられた。罪人たちがこの方を十字架につけて殺してしまったので創造主なる神は三日目にこの方を甦らせられた。この方は40日後に天に昇って行かれ、代わって人の世界に聖霊を降してくださった。それ故にこの世界にキリスト教会が誕生し「教会の時」が始まった。

 聖書が「時」と言う場合、キリスト者は2種類の「時」を思い浮かべます。神さまの時(カイロス:時空を超えて神さまが支配される時)と、人の時(クロノス:未来から過去へと流れていく時間)です。教会の時はカイロスであり、従って「教会の時」は終末まで続いていきます。

 今日のテキストでイエスさまは、クロノスを生きる私たちに、カイロスを意識しつつ、クロノスを主体性をもって判断しながら生きるようにと勧めておられるように思います。神さまの御前に自らの分をわきまえつつ、共に生きる人々と丁寧に関わり合いながら生きていきなさい、と。

 イエスさまが最重要だと言われた2つの掟を思い出しました。

心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。隣人を自分のように愛しなさい。マタイ22:37、39

 これを物差しにすべての事柄を判断して生きていく生き方が「今の時を見分け」つつ生きるということではないかと思います。とても難しい生き方ですがイエスさまは実行すること以上に、判断し努めることを喜んで下さいます。それが救いです。