新年明けましておめでとうございます。今年も主のお導きの中をご一緒に歩んで参りましょう。皆さまのご健康が祝されることを心よりお祈りしております。
さて、年始の3ヶ月間に使徒言行録の講解説教を行うことを始めて7回目となりました。今年は16章の半ばから。中途半端な始まりではありますが、内容としては、ローマ人看守一家の救いの記事、パウロの信仰者としての模範的姿勢の記事、共にとても重要で新年の始まりに学ぶにふさわしいテキストが与えられました。感謝します。
「真夜中ごろ、パウロとシラスが賛美の歌を歌って神に祈っていると、ほかの囚人たちはこれに聞き入っていた。」とても印象的な場面です。二人のキリスト者の賛美と祈りを一言も聞き漏らすまいと耳を澄ます囚人たちの心にはどんな思いが去来したのでしょうか。この後突然発生した大地震で、彼らの身体を拘束していた手枷足枷、鎖、監獄の扉…一切が解かれてしまいます。しかし誰一人脱走する者はいなかった、というのです。神の奇跡が起ったとしか言いようがありません。信仰者の祈りと賛美の力に圧倒されます。10年ほど前のことですが、若い人たちとのスタディ・ツアーに参加しました。ハードな日程の故に疲れて、バスに揺られればたちまち眠りに落ちてまいそうな時にはいつも青年たちの中から賛美が起りました。誰かが歌い始めると、誰かが合わせて二重唱三重唱になっていきます。普通なら心地良く眠るのかも知れませんが、彼らが歌ってくれたのは全て讃美歌でした。聞いている私たち大人はその歌詞に聞き入り様々に思いを巡らせます。旅の一コマ一コマ、留守を守っている家族や教会のこと…。眠気は去り祈りが次々と湧いて来る至福の時を味わったことでした。