すべての根源である光の創造に始まった神さまの天地創造は、第四の日までに生き物が生活する空間が整えられました。それは人間が生きる陸を中心にそれを囲む無限の海と、上に広がる果てしない空でした。
第五の日、次に神さまはそこに住む生き物を造られます。最初は海の生き物です。海は古代人にとって未知で脅威の対象でした。大きな怪物、うごめく生き物という言葉がそのことをよく表しています。
海に住む大きな生き物といえば私たちなら鯨を思い浮かべますが聖書的にはベヘモットとレビヤタン(河馬と鰐、いずれもヨブ記)。どちらも超強暴です。海の中が幻想的で美しいなどという感性は現代人のもの。水族館で見る鰯の大軍などシンクロして感動するのですが創世記に言わせればうごめく生き物となるのでしょう。
一方空を飛ぶ鳥にも猛禽類があるもののイメージとしては鳩とか雀とか愛くるしい小鳥のようです。イエスさまも、思い煩うことのない鳥たちの生き方を神さまへの全幅の信頼をおく喩えに用いられました。神はこれを見て良しとされ(21)、それらのものを祝福して(22)。祝福という言葉が初めて登場します。
その祝福の言葉は、産めよ、増えよ、海の水に満ちよ。鳥は地の上に増えよ。第三の日に創造された草木と共に、命ある被造物たちが無機質な世界に美しさと躍動感を満ち溢れさせていく様子が見えるようです。様々な命が互いに関わり合いながら増え広がり命を謳歌することが神さまの祝福であることを知ります。この地球は人間のためだけにあるのではないという最も大切なことを教えられます。