ライオン伝説

 高校時代の話です。古い話でごめんなさい(^^ゞ

 英語の教師のS先生は生徒たちから 「ライオン」「ライオン先生」と呼ばれていました。体格も声も大きくふさふさで真っ白な髪。確かに百獣の王を髣髴とさせるに十分な容姿でした。

 でも命名の由来は他にあったのです。

普段は穏やかなS先生が、一人の男子生徒に怒りを発して思わず胸倉を掴んだ時、学生服の第一ボタンが取れて床に落ちた。それを見たS先生は自分を責め一晩中苦悶した。それで黒髪が一夜で白髪になってしまったのだ。

 生徒たちがそんなナンセンスな作り話を「ライオン伝説」として私たち後輩に語り継いでくれたほどに、S先生は生徒思いの素敵な教師だったのでしょう。(実は私が先生の授業を受けたのは、臨時で教師が交替した数回だけなのです)

 私がヘアカラーを止めて目指したのがライオン先生の白髪頭でした。1年3か月が経ちましたがまだまだあのライオンの鬣(たてがみ)には及びませんが、鏡を見ながら若い日を思い出すのも結構楽しいものです、ね!