イースターおめでとうございます。イースターの立役者と言えば「女弟子たち」でありましょう。その女弟子たちとイエスさまのご復活について4人の福音書記者は各々の信仰によって様々に描き出しています。

 例えば安息日明けの朝早く墓へと走ったのが誰だったか。マタイはマグダラのマリアともう一人のマリア。マルコはマグダラのマリア、ヤコブの母マリア、サロメ。ヨハネはマグダラのマリア。これらに比べてマグダラのマリア、ヨハナ、ヤコブの母マリア、そして一緒にいた他の婦人たちと、ルカの記述は女性たちが大勢であったことを思わせます。

 更にマグダラのマリアとは7つの悪霊を追い出していただいた女性である、ヨハナとはヘロデの家令クザの妻である、と身元まで記し(8章)ヤコブの母マリア、一緒にいた他の婦人たちの中にマルコが記したサロメが含まれていたことも暗に示しています。名前を挙げる女性の数が格段に多いのがルカです。

 説教の中でも申し上げますが、多くの婦人たちが女弟子として12使徒を始めとする男弟子たちと共に伝道旅行の最初からイエスさまに同行し、自分の持ち物を出し合って一行に奉仕していたのが実際であったようです。

 3人の記者が男女差別はなはだしいユダヤ人社会、父権性社会の中で女性の活動を書き記すことに躊躇していたのに比べ、ルカは堂々と活き活きと女性たちを描き出しました。ルカのジェンダーバランスの良さもありつつ、私たちはそこに異邦人として差別され当時は奴隷の仕事であった医者ルカの悲しみを読みたいと思うのです。