今朝は「ザカリアの賛歌」です。ザカリアはバプテスマのヨハネの父親です。福音書の冒頭に「詳しく調べ…順序正しく書いて」と記しているようにルカはイエスさまの物語をヨハネの誕生の次第から始めます。それくらいイエスさまにとってヨハネの存在は大切だったのですね。
さてヨハネの誕生にも天使のガブリエルは関与しました。子どもが与えられないまま年老いたザカリア夫婦。その妻に男の子が生まれる、と天使がザカリアに告げたのです。それを信じなかったザカリアは口が利けなくなってしまいます。そういえばパウロも3日間盲目でした。二人共に生活は不自由だったでしょうが、神さまと膝突き合わせて過ごした経験はその後の人生を変えていきます。生まれた男の子に、天使が指示していた「ヨハネ」と名付けたことでザカリアは物が言えるようになり「褒むべきかな!」と賛歌を詠い始めたのでした。
ザカリアは聖霊によって、イスラエルが何百年間も待ち望んで来た「メシア」の出現に自分の息子が関係していくことを知らされていたのでしょう。主の遠大なみ旨をまず賛美します。そして76節「幼子よ」と今度はヨハネについての預言を詠い始めるのです。「幼子よ」。腕の中の愛し子を、目を細めて見つめているザカリアの姿が目に浮かびます。この子が成長して預言者となるのです。「荒野を住まいとし、らくだの毛衣を着、腰に革の帯を締め、いなごと野蜜を食べ物としていた」。(マタイ3:4)彼の時代とは言えかなり奇異な衣食住であったようで…。