第二次伝道旅行を終えアンティオキア教会に帰還したパウロは、しばらくして再び旅立ちました。第三次伝道旅行の始まりです。彼は内陸地方の諸教会を訪問してはメンバーたちを励まし指導しながらエフェソへとやって来ました。以前に少し立ち寄った際、滞在を懇願されながら「御心なら戻ってきます」と後にした教会のことが気になっていたのかも知れません。結局パウロはこのエフェソに3年間滞在することになります。(20:31)

 今朝のテキストはエフェソ伝道が神さまによって実に豊かに祝されたことを伝えるものです。シナゴーグでの宣教を非難によって妨害されたパウロたちは「講堂」を借りて私塾のようなものを始めます。それが返ってよい結果を生みました。シナゴーグは安息日にしか使えませんが講堂(学校)は週日の利用が許されていたのです。この私塾は結局2年も続いたのでした。

 筆者ルカは、アジア州に住む者は、ユダヤ人であれギリシア人であれ、誰もが主の言葉を聞くことになった、と記しています。時がよくても悪くてもみ言葉を宣べ伝え続けることの大切さと尊さを教えられます。またこのテキストからは伝道する相手に配慮するとはどういうことかを教えられます。そこから派生して「寄り添い」「配慮」について考えさせられました。

 イエスさまは、人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。と仰いましたがこのお言葉の意味を私たちは熟慮しなければならないと思います。他者の立場に思いを至らせることは出来ても感情に心を添わせることは出来ないという弁えを持たないと、と思ったことでした。