首尾よくタルシシュ行きの船に乗り込んだヨナは、神さまから逃げおおせたぞ、やった!と、船底で大の字になって爆睡していました。異教徒ながら敬虔な信仰者である船長は、この大嵐が祈らないヨナのせいではないかとの疑念を持ったようでした。「この災難が誰のせいで起こったのかみんなでくじを引こう」。乗組員たちもこの災難にヨナが関係していることに気づき始めたのです。くじはピタリ!ヨナに当たりました。やっぱり・・・。皆がヨナに詰め寄ります。彼はすべてを打ち明けない訳にはいかなくなってしまいました。私はヘブライ人で天地創造の神を信じる者である、と。ヨナから一切を聞いた人々は恐怖に突き落とされてしまいます。ヘブライの神は強い神、その神に預言者として立てられた者があろうことか召しに逆らって逃げて来た、と知ったからでした。この大嵐がヨナのせいで、ヘブライの神の怒りによって起こされたことが判明したからでした。
昔の人たちは大自然の驚異に対して謙虚でした。太刀打ち出来ないと知るとすぐに「神」に委ねて祈りと願いに徹しました。それは科学が発展していなかったことが大きな原因でしたが、だからといって科学万能、人間に解決出来ないものはない、などと傲慢になっている現代はもっと問題です。コロナウイルスや昨今の台風の大型化なども、現代人が創造主の秩序に反する生き方をしてきたツケではないかとさえ思います。現代人が旧約、新約の聖書から学ぶこと、教えられることは決して少なくありません。