蝉漫筆
某日、梅雨明けを待ちかねた1匹の蝉が初音を挙げた途端、瞬く間に蝉の大合唱が始まりました。
前座は「チーチーゼミ」。本名は「チッチゼミ」とか。文字通り“チーチー”とカン高い声で鳴きます。小型なので懸命なのは分かるけど迫力はイマイチ。
続く“ミーー、チーー”の連続音は「ニーニーゼミ」です。蝉の音というよりは秋の虫のよう。夏の初めの蝉ですが。“ミーンミンミンミン”と鳴くのは「ミンミンゼミ」。おなかの底から絞り出すような渋い音で、音響効果の「蝉の音」の定番です。“シャシャシャシャ”とドスを効かせて鳴くのは「クマゼミ」。声に似合わず緑色の透け感のある羽根が涼しげな大型の蝉。そして「ひぐらし」。昔は秋風が立つ頃に“カナカナカナ…”と行く夏を惜しむかのような儚げな音で鳴く印象がありましたが、今や街中で!残暑も終わりの頃には「ツクツクボーシ」の出番が来ます。
そして個体数が多く、夏中鳴き“ジャガジャガジュワジュワジージー”極めて喧しく姿も名前までも暑苦しいのが「アブラゼミ」。Shut up!