コルネリウスの話を聞きながら、ペトロは一切を理解するに至りました。自分がヤッファで経験した幻も含め、一切の出来事が神さまのみ旨であり、み業であったのだ、ということを。この時こそが、彼の中の異邦人に対する誤った既成概念が完全に胡散霧消した瞬間でもあったのでした。ペトロの言葉を読みます。

神は人を分け隔てなさらないことが、よく分かりました。どんな国の人でも、神を畏れて正しいことを行う人は、神に受け入れられるのです。

 これらの言葉は聖霊によって心を新たにされたペトロの改めての信仰告白だ、といって良いと思います。彼はこれに続き、霊が語らせるままにイエス・キリストこそ主であることを滔々と証ししたのでした。今朝のテキストは、カイサリアにおける聖霊降臨の場面です。44節。

ペトロがこれらのことをなおも話し続けていると、御言葉を聞いている一同の上に聖霊が降った。

 五旬祭の日にエルサレムで起こった霊的な出来事が、カイサリアの異邦人たちの身にも確かに起こったのです。この後彼らはペトロの命令によってイエス・キリストの名によるバプテスマを受けるに至ったのでした。

 今日は聖霊降臨日。キリスト教会の誕生日です。そしてこの日以降世界中で、二千年後の現在もなお聖霊降臨が起り続けていることを私たちは知っています。何の幸いか私のような者の身にも起こった神さまの恵みの出来事を、これからも忘れることなく生きて行きたいと思います。これこそが私の信仰の原点であり、私自身の依って立つ唯一の原風景であるからです。